ワールドジョイントクラブ » 社会貢献団体紹介 » 児童虐待と大きく関係するDVと、外国籍をもつ女性のDV被害の実態

昨今、痛ましい児童虐待の報道を耳にする機会が増えている。2008年度の実母・実父からの虐待死亡事例は、全国でトータル107例(128人)※1もあったというが、この児童虐待の原因のひとつとして、夫から妻へのDV(ドメスティックバイオレンス)が挙げられることをご存知だろうか。
DVの特徴は、虐待と同じ。信頼・愛情関係にある相手から、家庭という私的・閉鎖的な場で、繰り返し持続的に、社会からは見えないかたちで起こっているのがDV・虐待だ。DVのある家庭の33~77%で児童虐待が起こるという研究結果もあるという。2004年改正児童虐待防止法第2条では、DVを見せること自体が児童虐待となる。
DV加害者は、被害者を支配する手段として子どもを利用し、被害者である母親は加害者へ気を使うあまり子どもに無関心になったり、逆に虐待を加えてしまったりということがあるという。つまり、暴力を問題解決の手段に選ぶという虐待の連鎖の可能性があるのだ。
その結果、子どもたちには自尊感情の不育、大人を信用しない、母親への暴力を自分のせいだと感じる、母親へのケア役割を担わされ「いい子」を演じ、「子ども」として生きられないなどの影響があり、また子ども期(3~17歳)に日常的にDVを目撃した人は、脳の一部が萎縮しているという研究結果もある。
DVの件数は、2009年度の全国の配偶者暴力相談センターへのDV相談件数7万2792件と、2002年度の約2倍、2009年度の全国の警察署のDV認知件数は2万8158件で2001年度の7倍以上と急速に増加している。

DV問題では、じつは外国籍をもつ女性の場合さらに被害にあう率が高いという。しかし母国の社会システムとの違いなどによって文化的、社会的、精神的な暴力を受けつつも、支援を求めることが困難なケースも多い。※2
DV被害者である女性の相談を電話で受けるなどの活動を行っている「アジア女性センター」に話を聞いた。
「電話相談者は、自分のDV被害に混乱し、ケア役割を果たしている子どもを虐待状態に置いている自覚がないことが多いのが実情です。ケンカをしていても両親が揃っている方が子どもにとっては幸せだと思い込み、決断に踏み切れないケースも多く見られます」
DVの解決には、まず母親がDV被害の認識をもち、子どもをDV環境に置かないことが必要だという。もしDV被害にあっている人が身近にいた場合には、しっかりと話を聞き、相手の話を否定しないこと。また、相談された話をほかの人に話さず、専門機関への相談を勧めることが大切だ。
※1、厚労省社会保障審議会児童部会「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」の検証
※2、DV法では、関係機関は国籍・障害の有無を問わずその人権を尊重し、安全確保と秘密保持に十分な配慮をすることが定められている