ワールドジョイントクラブ » 社会貢献団体紹介 » 100歳以上の所在不明者は23万人 進む高齢化と福祉現場の担い手不足

今年7月、111歳とされていた男性の遺体が見つかった事件を契機に、所在不明の高齢者が複数いることが判明した。法務省によると、戸籍が存在しているのに現住所が確認できない100歳以上の高齢者は全国で23万4000人に上るという。このうち120歳以上は7万7118人、150歳以上は884人にもなる。

「頼りになる人がいる割合の国際比較(2006年~2008年)困った時にはいつでも頼れる親類や友人はいますか?」
※ギャラップ世界世論調査(Gallup World Poll)による。各国における調査は農村部を含む全国の15歳以上の住民1000人程度に対して行われた。技術的な理由から政府統計を利用したためイスラエルについては占領地を含む。数字は無回答やわからないを除いた回答者数に対する比率である。資料提供:OECD Factbook 2009
2010年5月現在、日本の65歳以上の人口は22%を超え、5人に1人が高齢者という本格的な高齢化社会に突入している。早急な対策を打たなければ、高齢者に関する社会問題は増加する一方である。
高齢者の所在不明問題は、地域の関係が希薄化していることも一因だ。困ったときに頼れる人がいるかという調査では、いると回答した人は米英圏や北欧諸国と比べ、日本を含めた東アジアでは相対的に少なくなっている。
こうした背景を受け、見守り事業や老い支度などを通して高齢者をサポートしている「NPO法人ふるさと安心サポート九州」に話を聞いた。
「見守り事業のなかで気づいたことは、地域コミュニティの崩壊です。玄関に表札を出していなかったりマンションに名簿がなかったり、個人情報に対して過敏にならざるをえない世相を反映していると思います」悪質商法などから身を守る手段が、一方で地域社会との壁をつくっている。

お話をうかがった理事長の松本さん(写真右)と中橋さん(写真左)
「最近力を入れているのはエンディングノートです。自分史や葬儀のこと、加入している保険などについて整理しながら記していきます。元気なうちからの老い支度を支援するという取り組みです」将来判断能力が衰えたときにそなえ、財産の管理や生活面の手配などの後見事務の内容と後見する人を自ら選んでおく「任意後見人制度」も必要に応じて活用してもらう。10年間で累計約4万件の登記件数、去年は約7800件の任意後見契約締結の登記があったが、現在の認知症高齢者が約170万人という点からすると、まだまだ利用が進んでいない状況だ。
高齢化はさらに進み後見人の不足が懸念されるため、弁護士や司法書士のほかに市民後見人の育成も積極的に行われている。高齢化は人ごとではない。若い世代が問題意識を持ち、積極的に高齢者福祉の改善に努めなければならない。