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「僕自身が弱い人間だからこそ、ポジティブな言葉を発信できる」 – 武田双雲 2011.03.12


家庭を充実させるために
必要なのが仕事を楽しむ気持ち

 双雲さんに前向きな力を与えてくれるもうひとつの存在が家族だ。ブログやツイッターを見ていると、頻繁に家族の話題が出てくる。

「家族と過ごす時間はとても大切にしています。家庭が充実していると、外側にある“世間と触れる自分”も充実してくると考えているんです。卵の黄身と白身のような関係ですね。でもいい黄身(家庭)を作るのは意外に難しいもの。家って油断する場所でしょう。自分の一番情けない部分が出ますからね」

 例えば仕事で無理をしていて休日は寝て過ごしたいと思っても、妻や子どもが休ませてくれない。したいと思っても、妻や子どもが休ませてくれない。外でも家でも不満を抱えてしまうとどんどんネガティブな感情が湧きあがってしまう。そこで双雲さんは、まず白身(仕事)をとことん楽しもうと考えたそうだ。

「僕自身、結婚当初はダメ男でしたよ(笑)。家事や子育ては妻がやるべきだと思っていたし、家族に対する思いやりがまったくなかった。でもそれって、結果的にどんどん自分が辛くなるんですよ。なぜだろうと考えたとき、自分が仕事を楽しめていないことに気づきました。これではいけないと仕事を楽しみはじめたら、家族が自分を応援してくれるようになりました。すると今度は家庭が僕にとってのエネルギー充電器に変わったんです」

 世の中は楽しいと感じる人もいれば、つまらないと嘆く人もいる。じつはどちらも間違っていないと双雲さんは言う。あらゆる物事は事象でしかなく、どうとらえるかは自分次第。だったら面白がった人の勝ちだ。そこで双雲さんはいろいろな眼鏡をかけて世の中を見わたすことにした。眼鏡とは“意識”というフィルターのこと。すると自分がいかに何も見ていなかったかということに気づいたという。

「冒頭で話した先だしジャンケンは幸せ眼鏡をかけた状態。反対に不満眼鏡をかけると世の中の不都合がいろいろ見えてきます。これってカメラを持って散歩するのと同じなんですよ。カメラを持つといい景色をとらえようとワクワクしますよね。受動的な人生が能動的になる感覚です。いま、僕の中でヒットしているのは新妻眼鏡。長年一緒にいる妻を初めて会った女性のように見るんです。すると『頬のラインはこんなに素敵だったんだ』ということに気づく。妻から見たら面倒くさい夫だと思いますよ。『何やっているの……』ってね。すると僕は『あぁ、何やっているのって言われちゃった』とドキドキして(大笑)」

武田双雲

 

ネガティブな人間だからこそ
人を勇気づける言葉が生まれる

 仕事と家庭のバランス、あるいは家族との関係に悩む人は多い。でもちょっと考え方を変えるだけで誰もが良好な関係を築ける。自分自身が悩み、改善してきたからこそ、自信を持って伝えることができる。

「幸せ眼鏡や家族のことも、僕自身が弱い人間だし、反省して解決したからこそ、ポジティブな言葉として発信できるのだと思います。もし僕が根っからの楽天家だったら、何の言葉も生まれてこなかったでしょうね」

 書以外にも、出版物やインターネットなどを通してメッセージを発信し続ける。双雲さん曰く「気持ちがいかに伝わらないかを知っているから、少しでも打率を上げるために」あらゆる媒体を駆使する。そして『毎日が楽しくなった』『仕事が面白くなった』など、ひとりでも多くの人の人生を変えていくことこそが自分の人生のテーマだと考えているそうだ。

「僕自身、会社を辞めてから何がしたいのかずっとわかりませんでした。だからこそ自分をきっかけにして多くの人に喜んでもらいたいと思っています。ネット上のライブ書道教室には日本はもちろん、アメリカやオーストラリア、中国からも多くの人が参加してくれています。チャットでも彼らを身近に感じることができるのだから、すごいことだと思いますよ。これからも新しいことに挑戦して、最低でも1億人くらいの人生を変えてみたいですね」


双雲流 休息のこだわり

武田双雲

武田双雲

書道家

1975年、熊本県熊本市生まれ。3歳から母である書家、武田双葉(そうよう)に書を叩き込まれる。東京理科大学理工学部卒業後、NTTに入社。2001年1月、NTTより独立。NHK大河ドラマ『天地人』の題字を手がけたほか、作品集『絆』(ダイヤモンド社)や『一日一魂』(清流出版)など著書も多数。また博多阪急百貨店で個展を開催。現在『マナビューイング』にてライブ書道教室を行っている。
武田双雲 公式サイト


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