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地球と対話する雑穀のエキスパート – 内田 弘(ベストアメニティ株式会社) 2010.08.20



ベストアメニティ株式会社 代表取締役社長 内田 弘 イメージ01

雑穀米で食生活を変える

 マイナーなイメージの雑穀米を、「一日一膳、雑穀米」というキャッチフレーズとともにメジャーにした、ベストアメニティ株式会社。代表取締役社長の内田弘氏が雑穀米事業をはじめるきっかけとなったのは、サラリーマン時代に患った大病だった。「食生活で悪くなった体は、食生活でしか治せないし、10年かけて病んだ体は、10年かけて治していかなければならない」と医師に諭されて気付かされたのだ。このとき食に対する価値観が大きく変わったという。

「日本人の食生活は西洋化してきていて、穀物に対する意識はかなり低下していました。まずはここから変えなければと、17年前に雑穀米の事業をはじめました」

 最初の4年ほどは、雑穀米の独特なにおいが敬遠されまったく売れなかった。キビやアワといったミネラル豊富な雑穀は体に良いが、「うまい」と「くさい」は紙一重。内田氏はまず鮮度を追求した。さらに独自のおいしい配合比率を見つけ出すことで「うまくて体に良い」雑穀米を世に送り出すことに成功し、雑穀米はおいしくて体に良いものとして日本中に知れわたった。


社会貢献の意識でのこだわり

 内田氏が国内産の雑穀米にこだわっているのには理由がある。品質が良いというのはもちろんだが、日本の生産者とともに、食料自給率の向上やフードマイレージ減少によるCO2排出量の削減など、日本が抱える環境問題の改善に努めたいとの意図もあるという。

「私たちは空気、水、太陽、土にずっと世話になりながらも、逆に自然に対して負荷を与え続けてしまいました。商売で得た利益の一部を地球に返していかなければならない、ということに気付いたのです」。ベストアメニティは2年前に「KIZUKI」プロジェクトを立ち上げ、地球環境の危機を世界に伝えるための映画を企画・製作した。また、社員110名から集めた言葉で環境ソング「I am the earth」を作詞し、印税のすべてが環境基金「KIZUKI基金」の原資となり環境保全に活用されている。

「みんなが環境に対して敏感になれば、地球温暖化は食い止められるはず。『気付く』ことが大切なのです」。社会貢献の意識を常に持ちながら、日本の食生活を改善するための挑戦はさらに続く。


人と環境に優しい乾燥野菜と地域活性化事業

 内田氏が次に打ち出す商品は、乾燥野菜だ。

「例えば、レタスの99%は水分。10g の乾燥レタスを食べれば、自ずと1kg 分の栄養を摂取できる。野菜不足解消に大きく貢献できます」。また、乾燥野菜には環境へのメリットもある。生野菜を保管するためには家庭用・業務用の冷蔵庫の電力が必要だが、乾燥野菜は常温での長期保存が可能となる。そして、輸送コストも大幅に削減することができるのだ。

 新しい商品の開発だけではなく、地域活性化も視野に入れるベストアメニティ。自社農場のある三潴町と小国町を野菜の「本当の産地」にするために、そこで作っている野菜を使った製品を作るという取り組みも行っている。また三潴町では、「天然田園温泉ふかほり邸」をオープンさせるなど、常に地域を意識した事業を展開している。

「自分の企業のことだけを考える時代は終わりました。商売をするのであれば、社会貢献も一緒にしていかなければ」という内田氏。人にも、地球にも優しい企業だからこそ、売れる商品を作り続けていけるのだ。

ベストアメニティ株式会社 内田 弘

内田 弘(うちだ ひろし)

ベストアメニティ株式会社

大分県出身。ベストアメニティ株式会社代表取締役社長。大手生命保険会社を退職後、平成2年4月ベストアメニティ株式会社を設立。日本初の雑穀ブレンダーとして「雑穀米」を開発、商品化。全国1,500軒以上の契約農家と「体にやさしい、おいしい健康」を提供する。著作に「雑穀を食べよう」(監修:内田弘 編:日本の雑穀を考える会)がある。日本雑穀協会会長。ロハス評議員。映画「KIZUKI」企画・製作