ワールドジョイントクラブ » 紳士・淑女の休息 » 「現状に満足せず上を目指す。だから私はいつも“ノーリミット”」-Kelly ケリー(モデル)

多くの女性から支持され、トップモデルとなったケリー
休日は格闘技とヨガで汗を流しているそうです
ストイックなオフタイムを過ごしている理由とは?
取材・文/高橋 満 撮影/尾形和美
ツボにハマりさえすれば
どんなことでも長続きする
――精力的な活動を続けているケリー。
オフタイムはどのように過ごしているの?
「なるべく早めに起きて朝ごはんを作って掃除や洗濯を終わらせるの。その後はとにかく身体を動かす! アクティブに過ごしていますね」
――スポーツは具体的にどんなことを?
「もう10年近く、キックボクシングとヨガをやっています。どっちもすごく気持ちいいですよ」
――ストイックなスポーツをやっているんですね!
なぜキックボクシングを始めたの?
「キックボクシングって故郷のブラジルをはじめとする南米の国ではメジャーなスポーツだけど、私はまったく見ていなかったんですよ。日本でモデルを始めて少し経ったときに、友だちからキックボクシングのジムに通おうと誘われて……。私は普通のスポーツクラブに通おうとしていたから『興味ない』って断っていたの。でも、どうしてもと言うから仕方なくついて行ったら私のほうがハマっちゃった(笑)。ストレッチから始めて、縄跳び、ランニング、サンドバッグ、シャドー、ミット、ウエイトをこなして最後にもう一度ストレッチ。余計なことを考えずにパンチやキックを練習しているのは本当に気持ちいいの!」
――でも、モデルの仕事をしながらハードなトレーニングをするのは支障もありそう……。
「アザができるといけないからスパーリングはしないようにしているけれど、それ以外は平気ですよ。頑張るときは仕事が終わってからジムに足を運んで、その後にヨガスタジオに行くこともありますから。私の中でキックボクシングは気持ちをアッパーにして心を解放してくれるもので、反対にヨガは内面と向き合い心を落ち着かせてくれるもの。すごくバランスが取れているんです。いまの私、細いけどかなり強いよ(笑)」
――体力をつけるためにスポーツを始めたいと思っているけれど、
なかなか続かない人って多いもの。どうやったら長続きできるのかな?
「一番大切なのは自分にピッタリ合うものを見つけられるかどうか。私もスポーツジムに通ったことがあるけれど、続かなかったから。ただ、合うかどうかはやってみないとわからないので、チャレンジを恐れちゃダメですよ。そして始めたらすぐに諦めないことかな。キックボクシングだって最初はこんなに続くとは思わなかった。プロを目指している人たちの中に入ることになったからすごくやりづらかったんです。女の子ふたりで場違いかなって。でも負けずに練習していたら徐々に自信がついてきて、通うのが楽しくなったの」
自分に自信が持てなくて
毎日泣いていたことも……
――自信を持つというのは大切ですよね。キックボクシングやヨガで自信をつけてから、
仕事の面でも大きく変わったことがあった?
「いっぱいありました! 私はモデルで一番大切なことって“自分が自信を持つこと”だと思っているんです。自信がないとこの仕事はなにもできないの。私の家は本当にお金がなくて、出稼ぎをするお父さんと一緒に14歳のときに日本に来て、15歳でモデルの仕事を始めたんです。でも最初はカメラの前に立ってもどんなふうに動いていいかわからなくて……。周りのモデルが自然にいろいろなポーズをとっているのを見て『こんなことできない』って思っていたの。その後ブラジルに帰ったんだけど、向こうでいろいろあって、また日本に戻ってモデルをすることになったんです。このころは本当に辛いことが多くて、ストレスやプレッシャーですごく太っちゃって……。太っているから仕事も決まらなくて、ますます自信がなくなっちゃう。事務所で毎日泣いてばかりいたんです」
――すごく辛い時期だったんですね。
そんなとき、ケリーに自信を持たせてくれたのがキックボクシングやヨガだったの?
「そう。毎日泣いていたとき、スケジュールを見たら1ヵ月半なにも仕事が入っていなかったの。ショックでしたよ。それで『私もプロなんだから痩せないと』と思ってスポーツジムに通おうと思ったときに、友だちからキックボクシングに誘われたんです。仕事もないし、まずは1ヵ月半必死になろうと決めて頑張ったら一気に痩せることができて、『私でもやればできるんだ』って自信がついたんです。不思議なもので、ひとつのことで自信がついたら仕事も決まるようになってきて、だんだんと仕事でも自信が持てるようになってきたの。仕事で自信がついたら今度はCMなどの大きな案件をやらせてもらえるようになってきたんです。ビルボードや駅に自分の写真が貼られると、街で女の子が声をかけてくれて。応援してくれる人がいるってわかったときは本当に嬉しかったですね。もちろんそれから今日までにも気持ちのアップダウンはありましたよ。でもね、気づいたんですよ。イライラしたり落ち込んだりしているのって、決まって忙しくてキックボクシングやヨガをできていないときだって。このふたつは私が精神的なバランスを保つ上で欠かせないもの。どれだけ忙しくても仕事を離れて別のことに集中する時間が大切なんです」
目標はときにブレーキに
やる気が出ないなら休んでOK

――ストイックに見えてもケリーにとっては自然なんですね。自信という武器を手に入れてから、いろいろなことが楽しくなったんじゃない?
「楽しくなったのもそうだし、自分で一番驚いているのは、チャレンジするのが怖くなくなったことかな。私はトップモデルが集まるニューヨークで仕事をするのが夢で、3年前にひとりで営業に行ったことがあるんですよ。日本から向こうの事務所にいっぱいメールを送ったけれど、返事が来てアポイントが取れたのは1社だけ。それでも10日間もニューヨークにいて、毎日飛び込みでエージェンシーのドアをノックしたの。タイミングが悪くて向こうで仕事をすることはできなかったけれど、落ち込むのではなく『日本での仕事をもっと頑張ろう!』と思えたのには自分でもビックリしました。自叙伝や写真集も私にとっては大きなチャレンジ。自叙伝では私の過去を全部さらけ出したし、写真集では自分の身体を出しましたからね。正直、最初はすごく悩んだんですよ。いやらしい目線で撮られるのが嫌だったし、コンサバな雑誌の仕事もしているから本当にいいのかなって。でも思い切って挑戦してみたの。どうせなら一番いいものを作ろうって思いながらね。毎日運動をして食事もコントロールして、お酒は……ちょっとだけ飲んだけれど(笑)かなりセーブして。そうしたらものすごくアーティスティックな作品が出来上がりました。いまは、ひとりでも多くの人に見てもらいたい気持ちでいっぱいです!」
――最後にケリーのようにアクティブに動くための秘訣をWJC読者に教えて!
「なにかにチャレンジするのって不安だし、失敗するのは怖いもの。私もそうだったからすごくわかるんです。でも少しだけポジティブに考えてみて。失敗って悪いことじゃない。だってチャレンジした結果なんだから。アクションを起こしただけで、あなたはもうこれまでの自分とは違うはず。それにいまは失敗したと思っていても、その経験がほかで役立つこともたくさんあります。私だってそうやってここまで来ましたからね。あとこれは私のやり方で、なにかを始めるときに目標は立てないの。目標はモチベーションになるけれど、同時に『そこまで行けば満足』というブレーキにもなっちゃう。私はノーリミット! 現状に満足しないでどこまでも上がっていくつもりです。モチベーションが上がらないときは頑張らなくても大丈夫ですよ(笑)。自信と勇気さえ失わなければ、必ず元の場所に戻ってこられますからね」


Kelly ケリー
モデル
ブラジル・サンパウロ出身。T174・B80・W60・H86cm。15歳でモデルデビュー。以来、『CLASSY』『MISS』『BAILA』『Domani』など数々のファッション誌で活動するほか、多数の広告にも出演。2011年10月21日には写真集『月刊NEOKelly』(イーネット・フロンティア)と自叙伝『モデル・ケリーの「だから、あなたもがんばって」』(宝島社)が同時発売。