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デジタル

情報サバイバル1

2011.02.20

超情報化社会が生む勝敗

 超情報化は、社会にいわゆる勝ち組と負け組をつくった。膨大な情報の中から、価値ある真実の情報を手にした者は成功を収め、また、偽物の情報を手にしてしまった者は搾取されてきた。
次々と新しいメディア機器が発表され、リアルタイムな情報がすぐに手に入るようになると、その情報に対する機微によって格差は広がり、まさに情報戦争の様を呈した。どちらが先に価値ある情報を手に入れるのか、世界中でサバイバルゲームが勃発しているのだ。無防備のままこの超情報化社会を生きることは、サバイバルスキルを持たないまま戦場に出ることに等しいと言えるだろう。
 それはなにも、ビジネスの世界だけではない。例えばネットショッピング。幼い子どもがいた場合、親は自由に買い物に行くこと自体が難しい。だが、ネットショッピングを使いこなしているだけで、未利用者に比べ自由度も、時間も、割引率(ネットショッピングの場合、人件費等が削減されるため低価格になる)も勝ることになる。買い物という何気ない消費行動でさえも、情報により勝ち組と負け組をつくっているのだ。すでに普段の生
活にも密接につながる、情報。これをうまく活用すること、超情報化社会でのサバイバルスキルを身につけることが、いま、急務となっているのだ。

プロに学ぶサバイバル

 今回、参考とする、アメリカ陸軍のサバイバル行動の基本方針は、「状況を把握する」「自分の責任で現在地を把握する」「恐怖心に打ち克つ」「工夫して間に合わせる」「郷に入っては郷に従う」の5項目で成り立つ。なにもこれは、戦場だけに当てはまるものではない。少しアレンジするだけで、超情報化社会に対してはもちろん、ビジネス、暮らし、恋愛など、すべてにおいて活用できるスキルとしてとらえてほしい。

ビジネスからイメージする

 ではまず、仕事に置き換えてみる。最初はクライアントの状況を分析するはずだ。業界の動向は?トレンドは?マーケットはどうなっている?と。そのうえで、例えば、会社からはどのような成果が求められているのか、クライアントに対しては何ができるのか、などを考える。また逆も然り。クライアントの担当者がどういうポジションにあるのか、どういう成果を出そうとしているのかを見つけ出そうとするはずだ。そのマッチングからビジネスが始まる。それはビジネスの世界において基礎中の基礎。互いが置かれている状況を正確に知ることができなければ、あなたはサバイブに失敗することになる。
 それはつまり、ビジネスで結果を残せない、ということだ。闇雲に商品を売り込んでも、売れるはずがないことはおわかりいただけるだろう。
 続けて、プレゼンなどの勝負時にはおのれの恐怖心に打ち克つことが必要だ。恐怖心は失敗を招く。普段どおりの実力は発揮されないまま、あなたのおびえは凶弾となり、勝利を打ち砕くことにつながる。だからこそ、勇気を持って恐怖心に立ち向かわなければならないのだ。そして工夫を凝らす。企画のアイデアかもしれないし、人脈をうまく使うことかもしれない。ビジネスのサバイブを賭け、結果を出すことへの可能性をつねに高めなければならないのだから。
 最後に、郷に入れば郷に従うこと。自分を曲げない信念も必要だが、時と場合によってフレキシブルに自分を変えることは、必要不可欠だと言える。

行動こそがサバイブ

 このように、サバイバル行動の基本方針はビジネスの基礎とも通じる。これを超情報化社会においても活かすことで、サバイブの確立を高めるのだ。超情報化社会の状況を把握し、自分がどの程度の知識を持っているのか、どのカテゴリーに属しているのかをあらため、アイデアフルにあらゆるツールを使いこなさなければならない。日々戦況を変える情報戦争に勝ち残るため、”情報サバイバル行動基本方針”を示す。

取材協力:宮本大人(みやもとひろひと)氏
明治大学国際日本学部准教授。漫画とアニメーションの歴史を中心に、メディアと文化の関係を考えている。メディアリテラシーについても造詣が深い。西日本新聞などでコラムを連載中。

情報サバイバル2

2011.02.20

戦場をデータから分析する

ネット人口は9400万人

 国際電気通信連合の発表によると、世界のネット利用者は平成22年末で20億人を上回るという。また平成21年度末の時点で日本のネット人口は9400万人。普及率は全世帯の92・7%と、この10年で70ポイント以上アップした。個人や企業も軒並み上昇するなど、恐ろしい速さで世界の情報化が加速し続けているのは一目瞭然だろう。
 これには、日本の携帯電話の性能が異常に発達している点も大きく影響している。便利に、しかも手軽に使える携帯電話を、ネット接続の手段として利用している人が非常に多いためだ。とくに若い人については、パソコンよりも携帯電話からのネット利用のほうが圧倒的に多いだろう。
携帯電話の利用者数は年々増大し、現在では人口の91%が所有している。最近は、子どもであっても携帯電話の利用が一般化し、ネット普及率、携帯加入契約数はさらに上昇していく傾向にある。また、スマートフォンや電子タブレットなども人気を博
し、ひとりで数台のネット端末を持つ人の割合も急速に増えたことから、日本における超情報化社会が本格化したと言える。

膨らみ続ける情報市場

 現在の情報通信産業の市場規模は、全産業の約1割にあたる96・5兆円。不況に大幅に左右されることもなく、日本経済がマイナス成長だった年でも、経済全体の実質成長の約3分の1を実現し、比較的安定した成長を続けている。また、経済波及効果を大きく及ぼすこの産業の付加価値誘発額は、すべての産業分野の中で最大となる、120・4兆円(平成20年)。雇用の面に関しても、その誘発数は、小売業や建設業と同等の、755万人にものぼり、市場価値という面から見ても、情報化の加速はとどまりそうにない。
 
 そのような一大産業化に伴い、社会で急速に情報が氾濫している。意識せずともパソコン、携帯電話、音楽機器などの情報機器を媒介にし、身の周りには何らかのデジタル情報がまん延している。ネット上には、データ化された膨大な量の情報があり、絶えず更新されている。選べる情報のあまりの多さに、その真偽を疑うことさえも忘れがちだ。市場の拡大とともに、情報の氾濫が加速していく時代だからこそ、現在の情報を取り巻く現状をつねに知ることが必要なのだ。

ITC活用者たちの成功!76世代の台頭

 ICT(情報通信技術)をどう使っているのか。これが自分の属しているカテゴリーを知るひとつの指標となる。
「楽天」や「アメーバ」などの経営者は、この超情報化社会が生んだ時代の寵児とも言える。彼らは、情報の利便性、危険性も踏まえて日常生活でICTを使いこなし、パソコンやネットとビジネスを結びつける能力に長けている。
 大学に入学したころにWindows95が発売された1976年前後生まれの世代が、〝76世代?と呼ばれ、いま、脚光を浴びているカテゴリーだ。就職氷河期を体験したこの世代は、やりたいことを実現するためのひとつの手段として起業を考え、ベンチャー企業経営者を多く輩出した。

 ネットのある生活とない生活の両方を経験しているため、既存のビジネスの枠組みを超え、自らユーザー視点に立ったビジネスを新たに構築している場合が多い。経営者としてICTを駆使し、とくに情報収集面、情報発信面で力を発揮する。自社やサービス、商品を一般に認知させ、社内でも当然の選択肢としてICTを取り入れる。例えばメール、スケジュール、ファイル共有、コミュニケーションにおいて、外部企業提供のICTサービスやアプリケーションを活用しているのが特長的だ。社内マネジメントや顧客向けのシステムは外部サービスも活用し、コストダウンを計る。
 ICTを社内外で活用できるからこそ、この不況下でサバイバルし、さらなる高みへと上り詰めていけた成功例のひとつと言える。

デジタルネイティブの出現

 心ついたころから携帯電話やネット検索サービスなどに触れてきた世代、”デジタルネイティブ”。彼らの中には、ネット上のコミュニケーションサービスで名を挙げ、起業までしてしまった高校生もいる。情報サバイバルスキルを自然と身につけてきた代表格と言えるだろう。
しかし彼らの大半は、デジタル機器は持っていても、情報を使いこなすにはまだいたっていない。
SNSから、より手軽に使えるツイッターへと移行しているが、やりとりは友達だけという、閉鎖的なコミュニケーションが多いという。いずれにしても、情報がより身近に存在する世代の動向には注意が必要だ。

世代で広がる格差

アクティブシニアの活躍

 日本全体のネット利用率は、平均で78%だが、65歳以上の高齢者は36・9%と極端に低い。
現在日本では、人口減少と高齢化で地方のコミュニティは危機的状況にあり、都市部では高齢化の加速により地域での見守りが課題となっている。そこで注目されるのが、家族や友人などとの絆を再生する効果の高いソーシャルメディア(ブログ、地域SNSなど)をはじめとしたICTの活用

情報サバイバル3

2011.02.20

情報サバイバルの極意!

リスクヘッジの有効性

電話とメールに伝え方の違いがあるように、メディアによって情報の伝わり方は異なる。情報はそれ自体の内容だけではなく、じつは、メディアの伝え方によっても形成されている。つまり、メディアの特性自体が、メッセージとしても意味を持ってしまうということなのだ。
同じ内容のニュースでも、新聞記者が書いた記事を読むのとテレビの中継を見るのとでは印象がまったく違う。新聞はある程度内容を掘り下げられるが、記事のほかには写真などがあるだけで音声や映像はない。テレビだと映像も音声もあるが、詳しい解説はつけにくく、その編集過程で制作側の主観が入ってしまう。さらにワイドショーなどでは、映像
にBGMが被せてあったりする。音声を消してテレビを観てみると、映像の解釈が音声に大きく影響されていることがわかる。
〝ウソじゃないけど全部じゃない〞というのが、たいていの情報のあり方だ。テレビや新聞は、前後の文脈を、キャスターのコメントや記事で補足するので、それによって違う情報が作られてしまう。それを知らなければ、メディアの判断のままに、情報を違うかたちで思い込まされてしまう危険性があるのだ。
写真についても同じことが言える。写真にはその瞬間の真実が切り取られているが、逆に言えばフレームの外に何があったのか、その前後の時間に何が起こっていたのかについては、さっぱりわからない。前後の事象をどう考えるかで、切り取られた写真の解釈が変わってくるということが、普通に起こり得る。情報やメディアの特性を知ることは、現代の生活には必要不可欠だ。例えば、プリクラ。撮るだけで目が大きくなる、かわいく見える角度があるなど、このメディアの特性を知り尽くしていれば、実物よりも何割増しかでかわいく撮れる。男性視点で言えば、その機能を理解することで、プリクラ写真にだまされて痛い目を見るというリスクも減るだろう。情報に慣れるということは、私たちにとって大きなプラスとなるのだ。

断片化への適応

次々と登場し、めまぐるしく変化していくメディアによって、私たちの周りには情報が溢れている。しかし、情報は多ければいいというものではない。情報量が多すぎる現代では、本当に欲しい、そして正しい情報を選び出すのは至難の業だ。
ツイッターを例に挙げるとわかるように、現在の大きな流れとして、情報の断片化が進んでいる。デジタル情報の怖いところは、いくらでも細かく切り刻めてしまう点にあるのだ。ネット検索をかけると、キーワードがピンポイントで拾われるために、前後の文脈が切れやすくなる。すると、情報のある一部分だけが集まってくるという状況が起こってしまう。情報が置かれている前後の文脈が消えてしまうと、もともとの情報自体を大きく誤解してしまうことにもなり兼ねないのだ。切り取られ、偏った情報でも、それがたくさんあると、十分情報を知っているような状態に陥りやすい。

しかし、基本的にこの流れは当分止められないと言われている。企業で言えば、どんどん断片化する情報をあっという間に処理できるところだけが、勝ち残る状況にあるのだ。
最近では、ツイッター公式アカウントを作る企業も増えているが、ツイッターをビジネスに利用しようと考える場合、情報は一日二日で消化されてしまうことを意識しなければならない。であるならば意図的に、そのあいだに効果が現れるような、うまく拡散させる情報の流し方でのビジネスモデルが考えられる。短期間に、一度に情報を周知する必要のあるプロモーションなどには最適だと言えるだろう。

超情報化社会を生き抜くためには、まず、情報がより早く、より断片化しているのだという事実を認識すること。そして、自分の触れた情報が意図的に操作されたものではないかどうかを見抜き、情報の真の全体像を捉える意識を常に持つことが重要だ。

「ネットを一切見ない、という人のほうが安心して暮らせるのかもしれない」などと語っ
た宮本氏。それだけ情報に振り回されるということが、超情報化社会では危険なのだ!

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